Libretto20のCPUはDX4(75MHz)相当である。
これをクロックアップにより、100MHz相当にすることが出来るのはかなり旧知に属する事柄だ。
グレードアップサービス等では、これらの提供のみならず、CPUの張り替換装も行ってくれる。その中でもCPUのクロックアップは、料金も安くて手軽なグレードアップといえるだろう。
しかしクロックアップの為にはグレードアップセンターに持ち込むとか、工房へ送って加工してもらう方法を取らなくてはいけないので、この程度のことでLibrettoを送るのも面倒だし、それなら自分でやってみようと決心した。Libretto関係の掲示板でLibretto20についての丁寧なクロックアップ方法を紹介しているウェッブサイトを紹介してもらったので、そのウェッブサイトの説明に従って作業をしていくことにした。クロックアップの方法自体は既にそのウェッブサイトに詳細があるので、そちらを参照していただくことにして、ここでは私の顛末をお話する。
- Win98化したこともあって、少しでもパワーが手軽に得られるならそれにこしたことは無い。料金も高くないし専門家に改造をお願いしようとも思っていたが、前出のウェッブサイトを見ると簡単そうにも思えるので、何とかなるだろうと急遽自分で作業することにした。
- 分解で一番の難所というかコツの要る所は、キーボード上段のファンクションキーの上にある細長いカバー・バーだ。端を持ち上げただけでは外れるようになっていないので、ファンクションキーの上の隙間からも持ち上げて、ゆっくり外していこう。
- 取り出したマザーボード基盤はゆっくりと鑑賞しておくことを勧める。何故ならこのようなウェッブサイトを見る人は、いずれは自分で改造やグレードアップをしていくタイプの可能性が強いから、基盤を見ておくだけでも後々の知識の積み重ねになっていくと思う。
- クロックアップの作業は、W48C54Aというクロックジェネレータチップの、基盤外側のリード線を基盤から断線させ、それを隣のリード腺に結線すれば良いだけの簡単な作業で、これなら何とかなるだろうと、専用半田鏝も無いのに、私は軽〜い気持ちで作業を始めてしまった。
- かといって半田がない事には話にならないが、半田だけは二十年以上前に購入したと思われる「千住金属工業株式会社の60% 1.6φ」というやつがある。昔何かで使った後も、ずーっと永い事持っていたが、こんなところで使うようになるとは思ってもいなかった。
- 半田鏝が無いと言ったが、半田鏝の替わりに電話等の通信線に使う、固めの二芯式通信線の銅線を使おうと計画してある。通信線の塩ビを剥いた銅線を、チャッカマンというガスライターで加熱して半田の役割をさせるのだ。
- 塩ビを剥いための銅線を、半田が付くようにカッターナイフで表面の塗装を落とす。チャッカマンで銅線を炙りながら、塗装を落とした銅線を脂入り半田に付けると、脂入り半田が解けて銅線に半田の鍍金が出来る。
- 今度はその銅線を炙りながら、W48C54Aクロックジェネレータチップの基盤外側のリード線を、基盤から引き離すべく加熱する。
- 基盤から引き離すリード腺が一番外側のリード線であって、しかもそのリード腺と結線するのがその隣のリード線でなかったら、私はこれを自分でやろうとは絶対思わなかったと思うのだ。だからこのクロックアップの手順ならば、もう私をクロックアップへと誘っているとしか思えない状態なわけだ。しっかりとそれに嵌ってしまった。
- しかしこの作業は易しくなかった。0.2mmm程の銅の半田鏝で加熱したぐらいでは、なかなかかリード腺は基盤から離れてくれない。しかも手は左手に銅線を持ち、右手にチャッカマンでライターの火をつけたまま作業するのだ。
- てこずっている内にW48C54Aクロックジェネレータチップのリード腺を、基盤から切り取ってしまえと、今度はカッターナイフでゆっくりと切込みを入れて切り離した。これでやれやれ、次はこのリード腺を隣のリード腺に結線すれば良いだけだ。言い忘れたが、銅線の半田鏝がそのままリード腺同士を結線する素材でもあるのだ。
- もう一度銅線をきれいに磨いて、さらに半田メッキをしてからそれをW48C54Aクロックジェネレータチップの決戦する個所のリード腺の上に置いて、先ほどのように左手に銅線、右手にチャッカマンを持って手を固定しながらガスライターの炎で炙っていく。
- 手先の微動が銅線半田鏝の先では、大きく揺れてしまい、思うように半田付けが出来ない。何度か銅線に半田を付け直してから再三再四チャレンジする。その内、なんと半田が付き過ぎだったらしく、ぼてっと下の基盤に落ちてしまい基板上の隣のラインまでショートさせてしまった。
- このショートさせてしまった部分の半田を取り除かなくてはならないが、益々半田がもっこりと盛り上がってきてなかなか取れないのだ。小一時間もこれと格闘した頃に、今度は基盤から切り取ったW48C54Aクロックジェネレータチップのリード腺が、付け根からポッキリと折れてしまった。
- これははっきり言ってあせってしまった。あせったが、折れてしまった折れ口には金属部分が見えるのでそこと結線すれば何とかなると思いながらも、頭の中には既にアップグレード改造で評判のサテライトさんに、メールと共にこのLib20を送って、修理依頼をしなくてはならないだろうとの意識が芽生え始めていた。
- サテライトさんに修理依頼するには、自分のミスの個所の修理だけではだけでは厚かましいので、ついでにアップグレードのお願いをすれば何とかなるだろうと腹を括ったら、ちょっと気持ちが落ち着いてきた。気を取り直して再度銅線を磨いてから、今度は半田を薄く付けてチャレンジしてみる。
- もしもの時は修理に出すって気分で落ち着いたら、やっと銅線をペンチか何かで挟んで持てば良いことに気がついた。それまでは銅線を直に手で持っていて指が熱かったが、何時の間にかこの作業に必死になっていて、そんな事も思いつかなかった。
- それからプライマペンチで銅線を挟んでからライターで炙れば手が熱くないし、これで作業も格段にやり易くなった。言い訳だがペンチを使うという発想より、こんな作業はすぐに終わると思っていたので、これほど長丁場の作業になるとは思ってもいなかったのだ。
- プライマペンチで挟んで、隣のリード腺とW48C54Aクロックジェネレータチップにわずかに見える金属部分との結線を、成功するまでに数度繰り返した。
- 何度か銅線がリード線にくっ付いていそうに見えると、口で風を送って冷ましてから、そっと銅線をゆすってみるがどうにも根元から折れてしまったリード線の所とは、なかなか付いてくれない。
- 付け根から折れてしまったW48C54Aクロックジェネレータチップを、カッターナイフで削って折れた金属面を少しでも露出させる。
- その後の何度かの半田付けで、これは接着できたなと感じるのが出来たので、口で「ふーっ、ふっー」と風を送ってなるべく早く冷やす。早く冷やさないと手が動いて先がぶれて離れてしまう可能性が強いのだ。
- 手を離しても銅線は繋がったままだ。やったあ!、ニッパで銅線を切っても銅線は外れなかった。良し。
- この時点でこの作業を二時間半ほどもしているので、ちょうど良い機会でこれで終了する決心をした。これで動かなければサテライトさんへ送る決心ももうついている。
- 組み上げは簡単にすんだので電源を入れてLibretto20を機動させる。
- 長時間のいじくり過ぎで、W48C54Aクロックジェネレータチップに熱を加え過ぎの危惧があるのと、折れてしまった方のリード腺に上手く銅線が付いてない危惧があって、90%の確立で起動してこないと思っていたのに、あら嬉やWin98が起動してきた。
- 無事に起動するまでは、「かもーん、かもーん」と祈るように声をかけてしまった。
- よーっし機動成功。とりあえずDX4(75MHz)の100MHz化成功!
- と、しよう。
で無事に起動したんですが、うーん、使ってみてこれまでの「Lib20だからな(CPUが弱い)」っていうストレスが無いような気はする。しかしそれほど早くなったような気はしない。試しにいろいろなアプリを起動してみる。多分少しは早くなっているんだろうなあ。どうにも私はP120クラスのパソコンしか使っていないので、この程度のスピードでも特に遅いってストレスを感じない性になってしまっているんだろか。ベンチマークテストのフリーソフトでもダウンロードして検証しなければいかんな。
これってクロックアップ成功しているのでしょうか?
Lib20のBIOSにはCPU項目は無いしなあ(^^;)。
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