壊れた!3
1997/11/07

 今まで使っていたシャープ・メビウスノートPC-A355に私の不注意でコップ一杯の水をかけてしまい、動かなくなった。それでメーカー修理をお願いしたところ、メーカーからの査定で修理代に35万880円かかるというのだ。わあ、購入した時よりもはるかに修理代の方が高い!

 そんなに高いんじゃあ、修理は止めて何か別機種を買おうと思った。誰だってそうするだろう。シャープの修理部門もそうしろって言うような修理代見積もりだ。すでにパソコンは何台か持っていたので、急いで買う必要はないので機種選定でいろいろ迷っていた。なんだかんだと水をかけて動かなくなったメビウスにも未練があった。水分が完全に乾いたら、そのうちひょっとして起動してくるんじゃないだろうかとか。

 ついには壊してしまったものは仕方が無いと諦めもついて、いよいよノートパソコンを購入しようと決心をした。家電店でノートパソコンを見比べていくうちに、甥っ子の意見でやはりメビウスのMN-7860が良いんじゃあないのと言われてメビウスノートMN-7860を注文した。在庫が無くて取り寄せになったので届くまでに少々時間がかかる。

 さて、あまりにも高額修理代金が入用となるために修理をあきらめたシャープのPC-A355は、セーフモードならば起動できるのだが、ウィンドウズを起動中にハードディスクへのアクセスが途切れてハングアップ状態となって操作不能になってしまう。デバイスマネージャーから色々なデバイスを切り捨てて起動してみてもセーフモード以外は受け付けない。なかなか未練が断ち切れなくて、思い出したように時々起動してみてもこれは変わらなかった。

 不可能とは思ったが、ウィンドウズを再インストールしたら、現状のマシン状態を認識して立ち上がるかと思って実行してみた。インストールは簡単に出来たのでこれはうまくいったかなと思った。「ウィンドウズを起動しています」のロゴが出て、最終設定をしているところでハードディスクへのアクセスが突然終了しハングアップしていかなる操作も受け付けなくなってしまう。セーフモードで立ち上げると起動できるので、またもデバイスマネージャーからやはり色々なデバイスを切り捨てて起動してみたけど、デバイスを切り捨てても最終設定で切り捨てたデバイスを感知し組み込んで、読み込みの途中でハングアップしてしまう。ウィンドウズの生真面目さと言おうか頑固者というのか、とうとう私はあきらめてしまった。

 新しいノートパソコンも来ることだし、デスクトップパソコン本体へのハード面でのアプローチは何度か行っているので、この機会にノートパソコンのハードはどのようになっているのか分解してみたい強い衝動に駆られていた。それで深夜の二時ごろから分解を始め出してしまった。実はこれ以前に水がかかった時点で分解を試みたのだが、いくつかのネジを外したが思うように分解できず、その時はあきらめて自然乾燥を待ったのであった。分解してにまだ使えるかもしれないものを、分解によって本当に壊してしまう可能性も危惧したのだ。なぜなら私のこれまでの経験で、壊れた品物を自分で修理しようとして分解して修理できた事より、その分解により本当に壊してしまった事の方が多い人間だ。

 でも、メーカー修理のプロが見て35万880円もかかると言うのならこれは本当に完全に壊れていることだし、先に言ったようにノートパソコンの仕組みを知りたい好奇心はより強くなっていた。液晶パネルを外し、キーボードを外した。キーボード部分はずらして組み込むようになっているようだがその仕組みが分からないためなかなか分解が進まない。悪戦苦闘と言うほど大袈裟ではないが、今回は完全に復元する必要も無いので、目につくビスを片っぱしから外し分解を進めていった。

 ノートパソコンもすべての部品はモジュール化さて組み込まれている。キーボードモジュールを外すとマザーボードが出てきた。CPUはキーボード左側下部にあり、放熱アルミ版で保護されていて、CPUボードに普通のペンティアム100MHzが直着けされているようだった。CPUボードは放熱アルミ版でカバーされているので水濡れによる被害はまったく無い。でも、なるほどマザーボード上に水濡れ被害による腐食と言うのか、ICチップ類のリード線回りには電解によるような白い粉が吹いている。これは酷いな!。メモリーやCPUは指で触れても静電気で壊れることがあるほどデリケートなものだから、水に濡れたらひとたまりも無いんだろうな。こりゃ部品の総交換で35万880円もするのは仕方ないのかもな思った。

 そんなことを思いつつ、でもこのショートしている処を奇麗にしてみたらどうなんだろう。そう思って歯間ブラシでICチップや抵抗器のリード線の電解腐食物質を取り去り磨いていった。磨きあがった状態でセーフモードでなら起動できるのだから、電解腐食物質が原因だったとしたらひょっとしたら生き返るのではと思って、分解したままそれぞれの部品を繋ぎハードディスクを差し込んで電源を入れてみた。

 何とバラバラ状態のノートパソコンでウィンドウズが起動し、しかもインストール後の最終設定を行なっているではないか。そんな馬鹿な! メーカー修理をお願いして35万880円かかると思えば、誰だって完全に壊れていると思うはずだのに、水濡れによるリード線の電解腐食のショートを取り除くだけで動いている。最終設定後再起動してショートカットを更新し、デスクトップ画面となってウィンドウズが蘇った。

 誰も直ると思って分解をしていない。分解した手順を思い出しながら組み上げてみるとネジが八本余った。そのまま電源を入れると同じくウィンドウズが起動している。キーボードからの入力も受けつけて文章も打てる。いや、Delete キーが作動しない。ネジも余っている事で再度分解。今度は少々慣れて再組上げを終了したが、まだネジが五本も余ってしまった。電源を入れてウィンドウズを起動してみると正常起動し、キーボードのフラットケーブルの接続を確認したところ、Deleteキーも受けつけるようになった。念のためにウィンドウズを再インストールし、色々なアプリをインストールして元の環境に戻した時は朝の6時頃となっていた。

 それにしてもそんな馬鹿な事があって良いのか。壊したと思ったノートパソコンが歯間ブラシ四本で修理出来てしまうなんて。シャープの修理部門は本当に許せんなあ。それに、すでに注文を出しているメビウスノートMN-7860はどうなる?

そんなばかな!

このページは、シャープの修理部門から修理に35万880円かかるノートパソコンを、歯間ブラシ四本で修理出来たメビウスノートPC-A355で作成しました(笑)


後記:この文章は1997年から2000年ぐらいまでは公開していたのだが、その後サイト再構成にあたりいくつかの文章を割愛していた。それら割愛していた文章を見直して再掲載してみました