携帯電話
2004/09/21

 今日は二級ヘルパーの実習があった。

 今日の実習は、私ともう一人の講習生だ。もう一人は女性の方で主婦の方です。その人とは二級ヘルパー演習で、お互いの歯も磨きあった中だ(笑)。

 他人の歯というか、それも女性の歯を磨くなどという機会は、そんなことは先ずあることではないだろう。もっとも夫婦でどちらかが病気になった、などという場合にはそういったことがあるかもしれないが、その場合でも、血は繋がっていなくても男と女の関係であって他人ではない。

 二級ヘルパーの演習では異性の歯を磨く、そんな得がたい経験もした。何より二級ヘルパーの講習で、人としての援助のあり方や心の持ち方などを講義してくれたのは、私にとってとてもよい勉強になったと思う。自分の都合だけしか考えて生きてこなかった私としては、世の中は自分ひとりのためにあるのではないという思いを新たにさせられた。ほかの二級ヘルパーの講習内容は分からないが、私の受けた二級ヘルパーの講習は、その内容のレベルが高いと思う。

 それに加えて、私は未知の経験に対して、それが興味のあることであれば、そういったことに全力を注いで夢中になるタイプのようだ。たとえは悪いが、どうも私は熱しやすく醒めやすいタイプの典型かもしれない。調子に乗りやすいタイプといえば、そのことを否定できない面は強いかも。

 二年間、毎日姉の病院先へ通って姉の面倒を見た事が、姉の急逝によって、私の二年間の習慣化した行動と目的がなくなってしまった。それで誰か他人の面倒でも見たいという、姉を失った替わりの、代償行為本能が私に働いているのだろう。動物でも子を失った母親が、他の子供を奪ってでも面倒を見ようとする行動をとろうとすることもあるように・・・。

 今日はそのお互いに歯を磨きあった人(仮名でBさんとしておく)と二人が通所リハビリテーションの自習だ。私は人の名前を覚えるのが苦手なので、二級ヘルパー通所リハビリステーション実習予定表を見ていても、名前から別の人だと想定していたのだが、朝顔を合わせるとお互いに歯を磨きあったBさんだったので、ちょっとうれしくなった。私だけかもしれないが、お互いの歯をを磨きあった。そんなことでも親近感が生まれるのだ。

 午前中のリハビリテーションの実習も終。午後のリハビリテーションもドアツウドア(自宅から通所リハビリテーションの場所までの送り迎え)の送迎実習まですで帰ってきたところ、もうBさんはリハビリ室には既にいなかった。レポートを提出して先に帰ったのかなと思って、私もレポートを書き上げてレポートの提出のために事務所に向かった。

 事務所のドアをノックして開けるとそこにBさんがいた。一人でレポートを提出して終わりと思っていたので、知っている人がいると事務所の中でもちょっぴり心強いものだ。

 レポートの提出も終すんで、二人で駐車場付近でなんとなくで栗を拾って回った。この場所には山栗がたくさん生えていて、今年はめったやたらにその栗がたくさん実ってたくさん落ちているのだ。その落ちている栗を拾って回った。その間30分ほどだろうか。

 栗を拾いながらいろいろな雑談をした。そして最後に携帯電話の番号を教えてくれて、お互いの携帯電話の番号を登録しあった。異性の電話番号でも、相手から教えてくれて登録するなんて事は、私には先ずないので結構うれしいものだ。その後、二人はそれぞれ帰途に着いた。

 私はいつものように電動アシスト自転車のママチャリで、姉が入院していた時にいつも通った南浅川の河川敷の土手を帰ってきた。そして携帯電話にBさんの携帯電話番号を登録したことを思いながらペダルを漕いでいた。

 そしてふと携帯電話の登録に、今年(2004年)7月に亡くなったばかりの姉自宅の電話番号が登録してあることを思い出した。ああ、そうだもう姉はいない。姉の自宅の電話番号の登録も削除するのかなあ。そんな事を思いながら自転車のペダルを漕いでいたら、瞼が熱くなってしまった。

 そう、この文章を書き終えたら、姉の自宅に電話をしてみよう。そして誰も出なかったら、その後、姉の自宅の電話番号を削除しよう。携帯電話のメモリの姉の自宅の電話番号を削除する時、その時、きっと涙が出るだろうなあ。

 そうさ、きっと泣くさ。この文章を書きながらだって、ほら、もうもう泣いているんだ。

Cools