ペィ・ユー・クゥー
2004/10/02

 年のせいなのか、舌がなんとなくぴりぴりしている。舌苔も多くついている。まあ、舌苔は栄養が豊富だとつきやすいとも言われるので、確かに栄養は摂りすぎかもしれない。

 下前歯の4本に歯垢が非常につきやすい。普通の歯磨きではこの歯垢は落ちてくれない。なのでは医者に言って取ってもらうか、自分で先の尖った金属で削り取るしかない。

 この歯垢を削り取ってみると、それは白い石灰のようなものである。歯と歯の間に目地のように付着しているのだ。こうなってはブラッシングではもう取り除けない。

 そこで、カッターなどの尖った歯先で歯と歯の間に沿って、歯垢をこそげとっていく。そのとった歯垢を指でこすってみると、石灰の粉のようになる。

 下の下側の付け根の中央に唾液腺があって、ここから唾液がたくさん出ている。だからどうしても下前歯に歯垢が出来やすいとか聞いた事がある。それじゃあ仕方ないのかなあと思っていた。

 ふと気になった事があって、最近インタネットでその気になったことを調べていたら、口をあけて寝ると前歯に歯垢が溜まりやすいという記事を見つけた。そう、気がつかれた方もいると思うが、ふと気になった事は「睡眠時無呼吸症候群」の事だ。

 うたた寝をしていて睡眠の浅い時に、私の口の下あごが落ちていることに気がついた。つまりぽかんと口をあけているのだ。これって睡眠時無呼吸症候群の状態なんじゃないだろうか。

 口を開けて寝ると、舌が気管のほうに下がり気味となって、ついには気管を数秒間ふさいでしまったりすることである。睡眠中にこんなことを繰り返していると、血圧も高くなるし歯にも歯垢がつきやすくなる。もちろん心筋梗塞などあらゆる病気の元となり、ついには死に繋がる可能性もあるとか。

 もともと私は睡眠時間が多いほうだ。若いときは24時間寝ていても平気だった。と言っても毎日24時間寝ていては、起きている時間がないので植物人間状態であるから、休日などでよほど何もしたくないようなときだけの事だ。なんにしても私は睡眠時間が多いほうには間違いなく、普段でも、体が平均12時間近い睡眠を欲しがっていた。それが10時間になり、8時間程度になって年とともに睡眠時間がやや短くなってきた。それでも一般的な睡眠時間にしたら充分に長い睡眠時間だと思うけど。

 たくさん寝ているのに、それでも昼間に眠たくなって睡魔に襲われることもある。これなど、どうもちゃんと熟睡できていないのではないかと思う。そこで最近話題になっている「睡眠時無呼吸症候群」ではないかと薄々思っていたのだ。睡眠時無呼吸症候群ではないかと思っても、まあそんなこともあるかいなあって程度で、だからってあっせって医者に行って診てもらおうなんて気にもならないで過ごしてきた。

 7-8年前から血圧が高目となって血圧降下剤を私は飲むようになっている。私の血圧は、薬を飲んでいて上が140で下が90台である。医者には体重を下げてくださいとよく言われる。私は小学生時代からずっとぽっちゃり体形だ。それがここ半年、あることを境に体重が下がり、今は標準体重に近い。それでもまだ標準体重の上限である。

 7キロぐらい体重が下がったわりには、血圧に関しては明らかに数値が下がるなどの効果が出ていない。これはひょっとしたら体重だけの問題じゃなくて、例の睡眠時無呼吸症候群の影響かもしれないなあ。と思い始め、何かできる対処をしようと思った。

 インターネットで睡眠時無呼吸症候群と腹式呼吸について調べていると、睡眠時無呼吸症候群は多くは医者に行って加療をということだ。そして呼吸は腹式呼吸にすると良いそうだ。睡眠時に腹式呼吸で鼻で呼吸をするには、手っ取り早く出来ることでは口にバンドエイドを張って寝ると口が開かないのでよいと書いてあった。

 口にバンドエイドを貼る。これなら金も手間もかかりそうもない。いわゆる平均的なバンドエイド(バンドエイドは商標登録名らしいけどいわゆるキズバンなどの総称としての名称で)を縦に二つに切り、それを口に「♯(シャープ)」のように貼るのである。シャープの横棒二本線が上下の唇。縦二本線が切り分けたバンドエイドなわけだ。

 実際はバンドエイドは鼻下側はもっと寄せて、「∧」こんなふうにすると良い。 こんなんで朝まで口は開かない。こんなことをして苦しいと思われるかもしれないが、それがそんなことも全くない。それが証拠には、この通り窒息することも無くちゃんとこんな駄文も書けている。だからと言って、真似した貴方の明日の朝は来ないかもしれないが、それは私は関知しないので、遺族の方が私に責任の一端を持ってこられても困る。遺産分けならありがたくいただきます。それも負の遺産でない場合のみだが。

 私は寝ようと思うとたいていすぐ寝れるので、口にこんなふうにバンドエイドをはってもすぐ寝て朝まで起きる事がない。寝つきの悪い人だと、こんなことをすると寝られないかもしれない。なので寝つきの悪い人は試してみて、気になって寝られないのなら止めたほうが良い。特に誘眠剤を飲まれるような方は止めたほうが良いでしょう。

 こうやって口を閉じて寝たら自然と鼻で息をするので、腹式で鼻呼吸になるのだ、少々鼻が詰まっていたって問題なく鼻で息が出来る。例えは悪いが、人を誘拐して縛って口にガムテープを貼ってもそれで死んだ人はいない。しかしこれは誘拐されて命に危険がないという意味ではないので、口にガムテープを張られても死ぬことはないとは考えない方が良い。そんな目にあったらちと死に神とお友達になりかけているのだけは間違いない

 さて口にバンドエイドも貼った。ついでに寝る前に携帯カセットテープレコーダーを音声起動にセットして寝る。こんなことをして数日間寝てみた。カセットテープレコーダーの音声起動とは勝手に作った言葉だが、音を感じて自動的に録音「V.O.R」する機能の事だ。これは会議などの録音によく使われる機能だ。

 口にバンドエイドを貼っても、何のためらいも無く冥府の旅人となり一夜の許された冥府旅行が終わると、さあ、お帰りの時間ですよとばかりに朝眼が醒める。起きてカセットテープを見ると、少しだけ録音がなされているので再生してみると、寝返り時のうめきのような声と、時々唾を飲み込むような音が録音されていた。それ以外に自動車の通り抜ける騒音も録音されている。

 口にバンドエイドを貼り、カセットテープレコーダーを録音にセットして寝ていたが、録音されているのは先に書いたとおりの音ばかりである。鼾一つもない。普段バンドエイドを貼らないで寝ていると、寝入りばなに口を開けて鼾を書いているのを感じる事がある。どう私は寝るときに必ず口を開けている気がする。

 ある日、口にバンドエイドをしないで寝てしまった。この時夜中に目が醒めたので、カセットテープレコーダーを録音してまた寝た。口にバンドエイドをしないとどうなるか気になったからである。口にバンドエイドをしないで録音したテープは、再生してみるとなんと鼾がすごい。しゃくりあげる、「おっ、おっ」と息の詰まるような飲み込みのような音など、それはそれはにぎやか夜の演奏会だ。

 口が開いて鼾もかくのだろう。時々睡眠時無呼吸症候群症状も出ているような感じもある。テープを聴きながら、口にバンドエイドを貼ったことは正解だったんだなあと感じた。テープを聞いていると「キュ」というような飲み込み音がした後しばらくの静寂が続いて、突然「ペィ・ユー・クゥー」という言葉が聞こえた。喋る速度はアンダンテ(歩くように)であった。単語と単語の間もしっかり開いている。とても明瞭な発音だ。

 カセットテープレコーダにはまだ少し録音されていたが、はっきり聞き取れないが、なにやら何度か同じような言葉を言っているような感じである。なんだろう「ペィ・ユー・クゥー」って。誰か分かるかな。感じで言うと、英語的な発音じゃない。いずれにしても、私が寝ているときは口を開けて寝ていることがよく分かった。だから葉に歯垢が溜まりやすく、舌がなんとなくぴりぴりした感じがするのも、舌が空気に触れすぎて乾きかけたりしているのではないかと思う、

 口を閉じて鼻で腹式呼吸できるように、これからも口にバンドエイドをして寝るつもりだが、「ペィ・ユー・クゥー」がなんなのか知るために、口にバンドエイドをしないでカセットテープレコーダーの録音を入れて寝てみたい気もする。

Cools