現状
若い頃は全くと言ってよいほど持てなかった。持てないというより、持てるような環境にも出会いもなかった。性格もカチカチで余裕もない。これじゃ持てるわけもない。
ところがぼくはカラオケがしたいためにスナックへ行くようになった。これは二年前ぐらいからだ。それで分かったことはスナックって結構女の人が飲みに来ている。アベックもいるにはいるが、どちらかというと一人で来る女のほうが多いぐらいだ。
カラオケならパソコンでも出来るし、近くにカラオケボックスもあるので、そういったところで幾らでも唄う練習は出来る。ところが下手な唄でも一人で唄っているのはつまらないのだ。それで聴いてくれても聴いてくれなくてもどちらでも良いけど、とりあえず人のいるところで唄いためにスナックへ行くようになった。
そうするとぼくみたいなタイプは案外女性に受け入れられる雰囲気が見られる。幾つかのスナックへ通いだして、初めて会った人から、今度来たら私はこのスナックの近くだから声かけてねなんて言われることもある。それでも声はかけたことはないけど。
そんな風にしてカラオケ唄いたさにスナックで2年ほど遊んだ。多いときで週5日で10件以上の店を巡ってきた。そのスナックでの知り合いも出来るし、何人かの女友達も出来た。と言っても、店に勤めている人たちじゃなく、お客としてきていた人たちと友達になったのだ。その上、店のママたちにも大事にされる。何しろ週何回かは顔を出すし、飲んでも悪い癖は持っていないし、いつもにこにこ現金払いだし敬遠されることもない。
Me子
Me子は最初にできた飲み友達だ。1年ほど付き合った。何回かあるスナックで出会って話をするようになって、他所の店でも待ち合わせて一緒に飲むようになった。時々は明け方近くまで飲んでまわったこともあるし、飲んだ後カラオケボックスで明け方まで歌を唄って過ごしたことも何度もある。
Me子もスナックなどへひとりで行くようになったのは僕と同じ時期だ。それもぼくが最初に行きだしたのと同じスナックでだ。ぼくは向こうがそこのスナックの常連だと思っていたけど、向こうもそんな風に思っていたみたいだ。もっともそこのママとは30年近くから知り合いではあった。
それでぼくはMe子を好きになったわけでもないけど、なんとなく良いなあと思って夜中に電話したりしたけど、相手にいつも適当にあしらわれていた。そのうち相手のほうがぼくに気持ちがわいてきたみたいだったけど、Me子がそうなってきた時はぼくは色んな店で知り合いみたいな女友達も増えていた。それにMe子がぼくの事を、呼び出せばいつでも飛んでくるとか、そこのスナックで言っていたという事も聞いたので、ちょっと距離を置いたほうがよいかなと思ったので、ぼくから電話をすることはほとんどなくなった。
このときタイミングの悪いことに、、ぼくの家の電話や携帯にイタ電(無言電話)が深夜に毎日のようにあった。それでそのイタ電の相手がぼくはMe子ではないかと思っていた。もう一人、今思えばあいつのほうだったかなと思う奴もいなくはないが、そのときはてっきりMe子だと思っていた。携帯も二つ持っていたし。それで、深夜にぼくが家にいるかどうかを確かめる為に電話を入れているのだと思った。
ぼくがMe子と一緒に飲む回数が少なくなって、Me子はほかの男とも飲むようになった。ぼくの気を引こうとした様子もある。けどぼくはそういうことをされると余計ひいちゃうので、よりMe子と縁が遠くなった。一ヶ月ほど前最初に出会った店でその男と来ていたのを目撃した。Me子もカラオケが大好きなので少しだけカラオケの話をした。ぼくが勘定をして店を出るときには、ぼくはMe子のことを忘れていて挨拶もしないででてきた。そのことはあとで気がついた。これでMe子と気持ちの上でも終わった。
レイン
レインとは間違えてドアを開けて入ったスナックで出会った。色がし白くて体格もよい見栄えの派手な女だった。どこの国籍の女かというような雰囲気だった。実際は沖縄の人だった。ことば(言葉)がきれいなのでより好印象をぼくは持った。
何度かそこのスナックで逢ってから、帰りはレインの車で送ってもらったりしていた。彼女は酒は飲めるけど車で来るのでほとんど飲まない。店の人や客と会話を楽しみカラオケを唄って遊ぶだけだ。そんな風にしてレインと付き合いだしてから、毎日レインから電話が入るようになった。2日に一回はお茶をするようになった。そんなことが2−3ヶ月あってぼくたちはかなり仲良くなった。レインは友達だといいながらも恋人みたいに付き合った。
レインは3年ほど前に旦那さんを亡くし、その後知り合いの方にそこのスナックに連れて行ってもらってから、そこのスナックの常連みたいになったみたいだ。と言ってもそんなに行っているわけじゃない。ただ彼女は派手で目立つタイプの女だから行くそのの店に通っている風に見える。実際に彼女は良く持てる。人を差別しないので店でも人気がある女だ。客がただでホステスをやってくれているので店としてもありがたいだろう。
そのレインとも2ヶ月ぐらい前から縁が切れた。というのは、ぼくが最近行くようになったスナックで一人で飲んでいるときにレインから携帯に電話があって、例のスナックで「カラオケでも歌いにあなたと行きたい」とのことだった。携帯の雰囲気で彼女にはぼくが何所かで飲んでいると分かったのだろう。彼女が誰かと飲んでいるのと聞いたので、一人でだよと言った。本当に一人で飲んでいた。飲んでいたというほどじゃなくカラオケを唄う為に仕方なく少し飲むというのがぼくの飲み方だ。すると彼女はちょっとおこったみたいに、じゃあ、あなたはあなたで楽しんでいらっしゃいと言って携帯を切った。
いつものぼくならここで直ぐに折り返し電話をかけなおすだろうけど、そのときはそうしなかった。それには理由がある。その理由はここでは書かないが、その時の行動としてはそうするのが一番妥当だと思った。こういった場合でも、普通なら次の日にでもレインから電話が入るはずだが、その電話もなかった。それっきりで二ヶ月過ぎた。これでレインとも終わった。
二十年前の
二十年前、彼女はそのとき二十歳だった。彼女が結婚して三人の子供もいることも知っている。その彼女が二十年ぶりにぼくのところへやって来たのが約一年前だ。
パソコンの操作を教えて欲しくて彼女は来るようになったのだ。ぼくはそんな関係の仕事を自分でしている。彼女は来るのだけど、そんなにパソコンのことを教わるわけでもないのに週に1-2回はやって来る。
来ないときは彼女も電話をかけてくる。ぼくから基本的に誰にも自分から電話をすることは先ずない。それに彼女にはご主人がいるし、ご主人がいてもかまわないのだけど、ご主人が出る可能性もあるところに電話をする気はない。
彼女は携帯も持っているが、その携帯にもぼくから電話をすることはほとんどない。彼女は何をしにぼくの所に来ているのかよく分からない。だからぼくはよく彼女にエッチしようという。彼女はぼくの部屋にも入ってくる。入ってきてもぼくは力ずくでなにするタイプじゃない。彼女その気はないでもないみたいだけど踏ん切りはつかないみたいだ。それはそうだろう。昔の中とはいえ、エッチをすればご主人を裏切ることになる。
半月ほど前、彼女が来たときに何度かエッチしようとか強く言ったら、そんなこと言われたらここに来れなくなっちゃうじゃないと言った。そういう時、ここに来れなくなっちゃうという言葉は彼女たまに使う。そういいながら彼女はぼくに気がある風を装っているみたいなのだ。昔何回ぐらいエッチしたっけとか、君の乳首は大きいんだよねとか言うと、おっぱいなどちらっと見せたりする。触ろうとするとだめと逃げる。
それから彼女かはぴたりと来なくなった。電話もかかってこない。多分彼女もこんなことはしていては、家庭崩壊の可能性もあると考えたのだろう。彼女とも終わった。
終章
どうやら三人の女性とはいずれも一年程度の付き合いで終わっている。うむ、ぼくになにが足りないのだろう。今年の秋は寂しくなりそうだな。男心と秋の空。空が高い。空気は澄んでくる。日は短く影は伸びてくる。朝夕は涼し過ぎるようになり、冬も日一日と歩んでいる。そぞろぼくの周りで、新しい出会いもめんどくさいけどなんだかまた幾つか同時進行しそうだ。
Cools
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