2008/03/30
 今年なって決意したことがある。そのことは昨年末の年越しで身内に宣言しておいた。かねてから、毎年ずっと思ってきたことだけど、これまではなんだか実行することができなかった。それは髭を生やすということである。

 だから昨年の年越しには年越しそばを食べながら、来年は髭を生やすと宣言した。もともと口唇の周りの髭が濃いい方ではない。でも髭は生えるし伸びてくる。だから毎日顔を剃らなきゃならない。これが結構面倒なのだ。その面倒なことを男は毎日やっているのだが・・・

 私はお正月三が日は顔を剃らない。毎年このまま顔を剃らないでひげを生やしていたら、朝起きて顔を洗うだけで済むので便利だなと思っていた。そう思っても4日目には気恥ずかしくてひげを落としてしまってきた。その髭を2008年1月1日から生やしている。髭を生やしてやがて3ヶ月が経つ。

 朝起きて顔を剃らなくていいのは全くに便利だ。だが、私の髭は口髭がやや見られる程度に生えるだけで、顎髭はまばら程度で、頬髭に至っては所々に数本という程度だ。それで口髭を生やすことにした。口髭といっても口の周りに生えていれば口髭というわけじゃない。「口髭」とは鼻の下と上唇の間に生える毛のことだ。下唇から顎にかけて生えるのは「顎髭」という。また口唇部からもみあげに繋がるように生えるのは「頬髭」と言って髭はこの3部に分類される。

 私の髭で見られそうなのはこの口髭だけである。口髭全体を生やした多分「ピラミダル」というスタイルの髭だ。鼻の下と上唇を結ぶ線を人中というが、ピラミダルに人中に生える毛を除けば「メキシカン」というスタイルの髭になる感じだ。

 その口髭がなんだか自分で言うのも変だけど、似合っているのだ。身内のものも意外に合っているので違和感がないねえなんてお世辞を言ってくれるぐらいだ。外に出てもだれも私の髭について何も言わないほどに受け入れられてしまっている。それは確かに、人のスタイルや髪の形口髭などに、親しき中でもないのにどうのこうのっていうことは言うものじゃない。にしても誰も何も言ってくれない。

 少しぐらい話題にしてくれてもいいと思うのに、似合っているじゃないで終わりだ。ううむ、そうなのかやっぱり似合っているのか。自分でもそう思うのだから、それで良しとしよう。ちなみに私は頭髪も数年間5分刈り程度の坊主頭にしている。坊主頭に髭なかなかいいではないか。それでいて私にはやくざ風には見えない品性がある、なんて自分で言っちゃったりして。

 坊主頭だが、12月から1月ぐらいまでは、寒い冬の間だけ防寒のために伸ばしっぱなしにしておくこともある。頭に毛があると無いとでは寒さに大変な影響がある。これは身をもってわかる。毛がないと寒い。とても寒い。で、今年は姉が毛糸の帽子とネックウォーマーをプレゼントしてくれたので、ひと冬それを使って坊主頭で過ごした。毛糸の帽子とネックウォーマーで頭部の冷え込みがシャットダウンできる。そのおかげか今年の冬はほとんど風邪もひかなかった。

 さて口髭の話に戻ろう。私の生やしているのは口髭だけであると先に述べた。頬髭はほとんどない。では顎の髭はどうしているのか。それは剃るのではなく生えれば毛抜きで抜いている。ひげが皮膚を突き破って出てくればもう毛抜きを持ってその毛をつかんで引き抜いている。

 この毛の抜き方がなかなか難しいのだ。0.5mmから1mm程度しか出ていない顎髭を毛抜きで挟んで引っ張って抜く。引っ張ってすっと抜ける毛もあれば、多くの毛は引っ張ってもなかなか抜けない。毛抜きで掴んだ毛が毛抜きから抜けてしまうのだ。同じ毛に対して掴んでは抜ける掴んでは抜けるを三度ほど繰り返すと、その毛は引っ張っていた反動で逆に皮膚に潜りこんでしまうのだ。

 さあ潜りこんでしまったけど、皮膚からはちょっとだけ黒い点に見える毛。この毛はもう毛抜きでは掴めない。次に毛が頭を出すまでは手出しができない。次に頭を出すには2-3日かかるのだ。最初のころは掴んだら強く毛抜きを握りしめ力任せとスピードで手荒く引き抜いていた。だがこの方法では毛抜きを強く握りしめて毛が切れて抜けなくなることも多い。

 それで最近は毛を掴んで力加減を考えながらゆっくり引っ張るようになった。毛と綱引きをしているようなものだ。生命力の強い毛でも、じっくりと引き出すとたいていの場合は毛が抜けることが多い。力任せに引っ張るとトカゲのしっぽ切りじゃないけど毛抜きで毛を挟んだ部分が切れて、残った毛は亀の頭のように皮膚の下に潜りこんでしまうのだ。

 この毛抜きが面白いのだ。一回の毛抜きで10本も毛が抜けるとやったあって気がする。だから暇があれば手鏡を片手に、毛抜きをもう片手に持って顎の髭を抜いている。その時に皮膚を間違って引っ張ってちぎってしまったりして、下唇の下の部分の皮膚が傷ついたりしている。

 皮膚の下にもぐりこんだけど、ちょっとだけ頭を出し手いる毛を掴もうと無理やり毛抜きで皮膚ごと掴んで引っ張って傷つけてしまうのだ。しかしなかなか毛抜きで掴みにくい短く頭を出しただけの毛を掴んで、首尾よく引き抜いた時のささやかな満足感が楽しいのだ。それにしても毎日10本ほどの毛を抜いても抜いても毎日抜く毛があるのもうれしいやら煩わしいやらではある。
Cools